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文字を「読む」作業 

「区」という文字と「凶」という文字は似ている。お互いに90°回転させただけで、全く違う意味になってしまう。(注)
どうやら文字は非対称(対称変換により異なるものになってしまう)であるようだ。
ひらがなであれば「い」と「こ」、「つ」と「し」、カタカナであれば「ツ」と「シ」(ひらがなもカタカナも”つ”と”し”が似ているのは面白い)、「ソ」と「ン」、さらに広げると「の」と「6」と「9」(そして物理学などで使われる「∂」)など、例は様々に思いつく。当たり前のようではあるが人間の脳はこれらの文字を、フォントや文字サイズにかかわらず、あるいは他の文字とくっついていたり一部が欠けていたとしても、横書きでも縦書きでも、日常的に読みこなしている。
「口」という文字は〈ろ〉と読むか〈くち〉と読むか(あるいは〈四角形〉を表しているかも知れない)、対称変換すら関係なく文脈から判断しなければならない。
また、日本語には、ひらがなの「あ」「め」「ぬ」など形が似通っているものも多い(この例ではそれぞれ漢字の安、女、奴が元になっており「女」の部分がお互いを似通らせている)。
これらを読む作業ではほとんどの場合、日常使われる文字であれば「読み間違える」あるいは「書き間違える」ことはほとんど無い。
少し前、外国製の安価な衣料品等の注意表示に「ちょっと間違った日本語」が書かれていることがあり、笑いのネタになっていた(「シャツ」が「シャシ」になっていることなどはしょっちゅうあった)。この「間違った日本語」は、間違ったことによって意味が分からなくなることはあまりない。間違った文字を修正しつつ、文章の意味は理解するとともに、間違う側の気持ちも分かるからこそ笑うのである。
ひらがな、カタカナ、数字、アルファベット、そして漢字。高速で正確なパターン認識、記憶との照合、意味理解、時折の間違いの修正…文章を黙読する時ですら、脳はめまぐるしく働いている。

(注)「区」は旧字体では'メ'の部分が'品'で、多くのものを分ける意の会意文字。また「凶」は死者の胸に施された不吉なしるしを表す指事文字。ちなみに「脳」の字は、「ツ」の部分は髪の毛、「凶」は未完成な小児の頭蓋骨を表しているという。(参考:大修館書店『漢語林』)

-----Zoom In Zoom Out-----

■「脳とコンピュータはどう違うか」(ブルーバックス)
茂木 健一郎、田谷 文彦 他 (2003/05)
講談社

■デザインノート(No.2) 文字・ロゴ・フォント
(2005/03)
誠文堂新光社
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[ 2007/08/04 17:08 ] TB(0) | CM(2)
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 「科学と芸術、そして人間。」をテーマに、さまざまなものごとについて考えるブログです。特定の領域というよりも、領域と領域どうしの境界面のそのたたずまいに焦点を当て、張り過ぎず緩め過ぎず可能な限りバランスのとれた考察を深めることをめざしています。

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◆管理者プロフィール:
 1976年生まれ。東京都在住。自称、逍遙学派。歩きながら考えることで何かが見えてこないかと、今日も歩きながら考えている。このブログも文章のほとんどを、歩きながら携帯電話にて入力し、推敲を重ねている。

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