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6合升(あるいは6合枡):「多機能の美しさ」続編  

 アクセス解析などをしていると、みんな多様な言葉で検索をかけてこのブログを読みに来る。検索ワードのなかでも多いのが、「六号升(マス)」(もしくは「六合枡」)という言葉。これで検索をかけ、以前に書いた「多機能の美しさ」という記事を読みにやって来るのだ。
 この記事は、教育番組で数学者の秋山仁氏が、《酒屋さんの知恵》として、「六合升」を取り上げていたことについて書いたものだ。六合升は、「六合」だけではなく「一合」「二合」「三合」「四合」「五合」も、酒を樽から一度汲み上げるだけでそれぞれ計量できる。
 「単純なカタチの中に、見た目以上の機能が備わっている」ことに対するオドロキを記事にしたのである。

 ただ、自分の記事には「具体的にどうやって測るのか」について説明はしていない。せっかく読みにやって来た人に、「1合から5合までどうやって測るのか」を図を使って説明したほうが親切だと思い、この「続編」を書くことにした。

 《6合升で1合から6合まで1合刻みで測る》

 まず、ここで制約条件をはっきりさせよう。酒屋さんが酒を酒樽からくみ出し、客の注文する量に応じて、酒を測る。この時、酒樽からくみ出すのは一回限りとする。また、一度汲み取った酒を酒樽に戻すのは構わない。

 さてそれでは実際に測ってみることにしよう。

◆まず、6合。これは簡単。升になみなみと酒をくめばよい。
(この状態をAとする。)

6_gou.gif

◆続いて分かりやすいのは、3合。
升を傾け、6合の時のちょうど半分の体積になるようにくめばよい。
実際には、少し多めにくんでおいてから、この形になるまで酒樽に酒をこぼしてゆく。
(この状態をBとする。)

3_gou.gif

◆次は1合。
これもいろいろ説明するより、図を見てもらったほうが早い。
(この状態をCとする。)
こういう状態になっている時、酒は、升の底辺の半分の面積をもつ三角形を底面とする三角錐になっている。
小学校や中学校で習った通り、三角錐は、同じ底面と同じ高さを持つ三角柱とくらべると、体積は3分の1であるから、この図で示した酒は、6÷2÷3=1合の体積を持つ。

1_gou.gif

◆さて、次は2合。
これはまず、酒を酒樽からくみ上げ、上記のBの状態にする。その後、お客の容器に、Cの状態になるまで酒をそそいでゆく。すると、3ー1=2合が測りとれる。
(余った酒は酒樽に戻せばよい)

◆次は、5合にしよう。
これも2合の時と同じテクニックを使う。
酒樽から酒を、Aの状態になみなみとくみ取る。そして、お客の容器に、Cの状態になるまで酒を注いでゆく。すると、6-1=5合が測りとれる。
(これも余った酒は酒樽に戻せばよい)

◆最後に、4合。
これは、少しだけ複雑だ。まず、酒をAの状態にくみ取る。そしてお客の容器に、Bの状態になるまで注ぐ。その後、今度はCの状態になるまで、「酒樽に」戻す。6合升に残った1合を、お客の容器に注ぐ。これで、(6-3)+(3-2)=4合が測り取れる。

以上が、6合升での計量の具体的な方法である。

----------
 
 私はこの6合升の話を、テレビ番組で知ったのだが、秋山仁氏はこれを自身の著書でも紹介している。
■「知性の織りなす数学美 ―定理作りの実況中継ー」秋山仁著(中公新書)

 テレビ番組でも少しだけ触れていた「万能升」も、この著書では詳しく説明されている。万能升問題とは、6合升のように一回くみ出すだけで何リットル(単位は「合」でも「リットル」でも何でもよい)まで測れる容器が作れるか(もちろん目盛りはない)、という問題である。著書(2004年発行)の中では、底面が4角形の場合、「858リットル升」(1リットル刻みに858リットルまで測れる)までは可能であることが分かったという。(ちなみに、万能升は英語では、「Universal measuring device」とか「Universal measuring box」と言うらしい。)

 (上に挙げた本で一番読んで面白かったのは、冒頭にある「秋山風数学への道」。ダメ学生がいかにして数学者となったか、その七転八倒の様子が書かれている。)
[ 2009/10/31 16:05 ] TB(0) | CM(0)
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