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「メルティング・ポイント」(美術展) 

 メルティングポイント(融点)とは、物質の液体相と固体相が共存し混ざり合った状態が許される温度のことで、たとえば水ならば「0℃」である。

 いきなり冒頭から、足を踏み入れることになるジム・ランビー(Jim Lambie)のインスタレーション空間。ここでは、鏡が貼りつけられグリッターが塗られた「椅子」や「絨毯」が、壁面に宙吊りにされ、展示室の「床そのもの」ですら金銀のカラーテープにギラギラと覆われている。普段私たちの下にもぐり、土と人とを切り分ける役割を負ったものたち。それらがここでは宙に浮き、鑑賞者とその周りの空間を自らに取り込もうとこちらへ迫ってくる。上と下、床面と壁面、見るものと見られるもの、そのそれぞれのかかわり方が次第にゆらいでくる。
 そこに立て掛けられた一本の「杖」ですら、色鮮やかな糸で幾重にもぐるぐる巻きにされている。先ほどのゆらぎはさらに増し目眩すら覚える。
 さらに歩を進めると、展示室の壁面や床面へほとんど溶け込んでしまった渋谷清道の《ミステリーサークル》シリーズ、見る者を空間のゆがみの中へ見事にいざなうエルネスト・ネト(Ernesto Neto)のインスタレーション作品《それは地平で起こるできごと、庭》が続く。
 「メルティング・ポイント」とはつまり、日常的には切り分け可能なものごとどうしのかかわり方(上と下・左と右・空間と時間・作品と展示室)の界面が、ゆらぎ、溶け合い混ざり合う状態が許された、或る″特異点″である。


-----Zoom In Zoom Out-----

メルティング・ポイント
http://www.operacity.jp/ag/exh85/index.html
(東京オペラシティーアートギャラリー)

■めまい ― コレクターズ・エディション
ジェームズ・スチュアート、キム・ノヴァク 他 (2002/08/01)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

■「胡桃の中の世界」(新装新版)
澁澤 龍彦 (2007/01/06)
河出書房新
[ 2007/09/27 23:36 ] TB(1) | CM(0)
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週刊朝日の連載記事をたまたま見かけて、買ってみた。司馬は取材のために全国各地を訪れ、竜馬や信長が通った道を丹念に歩いて、作品のリアリティを構築していった。本書は、その取材の航跡を追いかけるようにして、司馬作品ゆかりの場所を訪れ、主人公たちの子孫、あるいは
[2007/10/16 06:55] あやの部屋
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 「科学と芸術、そして人間。」をテーマに、さまざまなものごとについて考えるブログです。特定の領域というよりも、領域と領域どうしの境界面のそのたたずまいに焦点を当て、張り過ぎず緩め過ぎず可能な限りバランスのとれた考察を深めることをめざしています。

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◆管理者プロフィール:
 1976年生まれ。東京都在住。自称、逍遙学派。歩きながら考えることで何かが見えてこないかと、今日も歩きながら考えている。このブログも文章のほとんどを、歩きながら携帯電話にて入力し、推敲を重ねている。

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