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人類最高の発明品 

 石油の高騰が続いている。アメリカのサブプライムローン問題に端を発した、世界的金融不安から、大量のマネーが石油先物取引市場に影響を与えているという。
 「ナルホド、経済ってそうなってるんだ!」などと、日経新聞を読みはじめた若者みたいに感心している場合ではない。誰かが家のローンを払えないことと、誰かの食パンの値上がりが繋がっている。貧しい者のはるか頭上で大量の何かが取引され、僅かな者だけが得をしている。こういう仕組みは「どこかがおかしい」、そう思わなければいけないのではないか。

 石油を売る者は、自分の土地を掘るだけで大量のマネーを手にする。
 石油を買う者は、その値動きを元に、実体の無い何かを右から左に動かすだけで、やはり大量のマネーを手に入れるらしい。
 いわゆるマネー経済(仮想経済)が、実物経済の何倍もの力を持っている。世界の金の流れは、1980年頃までは実物経済にほとんど依っていたが、今やその9割以上はマネー経済によるものだ。
 マネー経済は、それはそれで人類の発展に貢献しているのは確かだし、否定しない。けれどその華々しい貢献の裏側に、どうにもしようのない暗黒面が広がっていることもまた確かだ。石油売買のその最末端では、あらゆる物価が上がり続けているし、そこはまた、あらゆる環境破壊の起点でもある。
 
 ある本に「『株式会社』の仕組みは人類最高の発明品」と書いてあり、思わず脱力してしまった記憶がある。まあそれなりに役に立つ発明品には違いないが、「人類最高」とはあまりに言い過ぎである。笑ってしまう。
 むしろ、今はそれしかないので仕方なく皆が使っているが、もっといい仕組みが発明されるべきもの、そういうものに過ぎないのではないだろうか。

 環境に良いとされるバイオ燃料の、その原料を育てるために、広大な森林が破壊されている。
 温室効果ガス削減の枠組み作りでは、京都プロトコルを離脱したはずのアメリカが口を出しはじめた。
 バイオ燃料も、炭酸ガス排出権取り引きの仕組みも、安直に素晴らしさだけが謳われ、そして特定の誰かだけが得をするのだろうか。
 石油(とアメリカ)を中心に回り続ける(というか回り続けざるを得ない)世界、ライフスタイル、マネー経済、そして地球環境への中途半端な配慮…。

 ゴア元副大統領の「不都合な真実」は、少々強引な結論が多いが(その意味でもこの本は決して科学論文ではなく、上手く書かれた随筆である)、この本や彼が受賞したノーベル平和賞が、少なくとも特定の人間だけが得をするための発明品ではないことを祈りたい。

-----Zoom In Zoom Out-----

■「現代思想」 2007年10月号 特集=温暖化の真実
「環境について、本当に考えるべきこと」(養老孟司, pp.46-58)

■「プロパガンダ教本」
(成甲書房)
エドワード バーネイズ
”広告の教科書”とも言われる名著。面白い。

■「ノーベル賞受賞者にきく 子どものなぜ?なに?」
(主婦の友社)
「どうして貧しい人とお金持ちの人がいるの?」
(回答者:ダニエル・マクファーデン(ノーベル経済学賞), pp.54-67)
[ 2007/11/15 20:30 ] TB(0) | CM(1)
音楽、
だと思う。
[ 2008/01/19 21:56 ] [ 編集 ]
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■このブログについて:
 「科学と芸術、そして人間。」をテーマに、さまざまなものごとについて考えるブログです。特定の領域というよりも、領域と領域どうしの境界面のそのたたずまいに焦点を当て、張り過ぎず緩め過ぎず可能な限りバランスのとれた考察を深めることをめざしています。

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◆管理者プロフィール:
 1976年生まれ。東京都在住。自称、逍遙学派。歩きながら考えることで何かが見えてこないかと、今日も歩きながら考えている。このブログも文章のほとんどを、歩きながら携帯電話にて入力し、推敲を重ねている。

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