スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] トラックバック(-) | コメント(-)

iPod文化とレコード文化 ―2つのベクトルの狭間― 

 数10Gの容量を持ったiPodには、無意識に似た深遠さがある。
 これまで自分の耳が触れたことのあるすべての音楽を持ち歩くことができ、かつ、その中からほとんどランダムに曲が選び出されて再生される。夜眠りながら見る夢のように、自分の奥底に眠っていたささやかな記憶の断片が、次々と繋がっていく。日常に居ながらにして、(少なくとも目が覚めている間は)ほとんど体験したことがない凄まじい瞬間が続いてゆく。
 けれども、このような形式で音楽を聴く方法は、人類が約100年来続けてきた「レコード」というパッケージ単位で音楽を聴く方法の、1つの「崩壊」でもある。
 音楽雑誌「snoozer」が2004年当時、増刊号として発行した「The Essential Disc Guide 2004 ―あなたのライフを変えるかもしれない300枚のレコード―」の中で、編集長の田中宗一郎は、急速にネット上にアーカイブ化されていく音楽という文化についてはっきりと危機感を表明し、「1枚のレコード」という単位が持つ大きな力に敬意を払いつつも、「1枚のディスクに刻み込まれた歴史の重みを感じること。それぞれの音楽をそうした呪縛から解き放ってやること――その相反する、ふたつのベクトルのそれぞれをアンプリファイすること」に、音楽という文化を豊潤なものとする希望を見いだしてもいる。
 それからまる4年が経ち、確かに我々を取り巻く音楽の環境は本当に大きく変わった。我々は確かに、2つのベクトルの片一方に大きく踏み出した。けれども私はやはり、今しばらくは、「レコード1枚」という単位が持つベクトルの大きさにも、注意を払い続けたいと思う。

----- Zoom In & Zoom Out -----

サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえサブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ
中公新書
下條 信輔



NHKドキュメント
「考える」(2007年12月25日放送)
作家の石田衣良が、広辞苑をランダムに引いて出てきた3つの言葉「鵞鳥」「草書」「光学」を使って、(48時間以内に)童話を作る
[ 2008/08/12 22:41 ] TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

studio:lamplight


■このブログについて:
 「科学と芸術、そして人間。」をテーマに、さまざまなものごとについて考えるブログです。特定の領域というよりも、領域と領域どうしの境界面のそのたたずまいに焦点を当て、張り過ぎず緩め過ぎず可能な限りバランスのとれた考察を深めることをめざしています。

■リンク、コメント、トラックバック:
 悪意のあるものを除き、基本的にオープンです。異論反論、叱咤激励をどうぞお願いいたします。

 ※このブログは、アフィリエイト・プログラムには参加しておりません。

◆管理者プロフィール:
 1976年生まれ。東京都在住。自称、逍遙学派。歩きながら考えることで何かが見えてこないかと、今日も歩きながら考えている。このブログも文章のほとんどを、歩きながら携帯電話にて入力し、推敲を重ねている。

ブログ内検索


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。